アメリカ発の金融危機を受け、政府・与党は、追加経済対策の検討に着手しました。
第1次経済対策に盛り込まれた定額減税を具体化させるほか、省エネ関連の投資減税、証券優遇税制などの政策減税、公共事業の追加などを検討します。
総選挙を控える与党は、一気に歳出拡大路線へと転換しました。
米欧の金融危機は、世界同時株安に発展し、国内でも大和生命が破綻しました。
これは、同社独特のハイリスク投資が主因であり、国内の経済・金融情勢すべてが深刻な状況にあるというわけではないのですが、海外投資ファンドは日本を含めた各国株式の投げ売りに拍車をかけています。
そうしたなかで検討されている追加対策は、麻生太郎首相の持論である政策減税が柱。投資、証券減税や、企業の海外収益の国内環流、住宅建築の促進税制が議論されているほか、定額減税も2兆円規模になる見込みです。
与党内では景気刺激策として、即効性のある公共事業の積み増し論も高まっており、財政再建路線ははるかかなたに遠ざかったとの認識が広がっています。
また、追加対策は、大規模な国債増発が必要と見られていますが、逆に景気悪化の引き金になる可能性も否定できません。
安全性の高さから資金の逃避先になっていた国内債券市場にも換金売りが広がるなど、極度の金融不安が広がっているためです。
大幅増発は長期金利の急騰を招きかねず、そうなれば中小企業の破たん増加など、日本経済は財政の弱さが顕在化する恐れもあります。