景気対策の優先を公言する麻生政権のもと、2009年度の新規国債発行額は、大幅な歳出拡大と税収の落ち込みを反映し、前年度当初比31・3%増の33兆2940億円となる。
当初予算ベースでは4年ぶりに30兆円の大台を突破することから、2009年度末の国債発行残高は581・1兆円に達し、国と地方の借金の総額は804兆円程度に拡大する見通しだ。
2009年度末の借金総額は国分が2008年度末より16兆円増える607兆円、地方分はほぼ横ばいの197兆円程度になる見通し。
これを国民一人当たりに換算すると、約630万円の借金を背負っている計算だ。
2008年度末に比べ13万円程度借金が膨らむ。
これにともなって、GDP(国内総生産)に占める借金の割合は157・5%に悪化する。
OECD(経済協力開発機構)の推計では、先進諸国が抱える2009年末時点の借金残高の対GDP比はアメリカが78・1%、ドイツが66・3%、イギリスが63・6%の見通しで、深刻な財政危機に陥っていたイタリアでも114・4%にとどまっている。
日本の財政に貼られた「先進国で最悪」というレッテルは当面、返上できそうにない状況だ。
借金が増加すれば、当然その分の利払い費も重くなる。
国の2009年度一般会計予算では、歳出の1割超となる9・4兆円を利払い費に充てた。
これは、1日当たり258億円、1秒間に30万円が利払いに消える計算で、財政は文字通り「火の車」となっている。