麻生太郎首相はこのほど、2009年度補正予算案の4月中の編成を正式表明した。
特別会計の積立金(埋蔵金)や建設国債に加え、「状況によっては赤字国債も辞さない気持ちでやる」と前のめりで、追加対策の規模は「真水(財政出動)だけで10兆円を超える」との観測も出ている。
「これまで打ち出した対策は既に大きな効果を発揮しているが、日本はなお経済危機にある」。
麻生首相は会見でこう強調し、「100年に1度」の不況を乗り切るため、もう一段の景気刺激が必要だと訴えた。
政府はこれまで、財政再建との整合性を図るため、補正予算での赤字国債の発行には慎重姿勢を貫いてきた。
2008年度1次補正は建設国債などで財源を確保。
2次補正でも赤字国債発行は「税収減少分の補てん」(財務省)と位置づけ、景気対策とは一線を引いてきた。
しかし、衆院解散総選挙の思惑も絡んだ2009年度補正は「過去最大規模になる可能性もある」(与党幹部)。
既に予算の奪い合いが激化しており、「財政再建」の建前を掲げることすら難しい事態に追い込まれた格好だ。
実際、追加対策のたたき台となる自民党日本経済再生戦略会議の「戦略プログラム」には、「2010年頃に太陽光発電を20倍」「電気自動車の量産を3年以内に開始」「省エネ住宅の比率を10年で50%超に」など仰々しい政策目標が並ぶ。
高まるばかりの歳出拡大圧力に、財務省からは「まともに取り組んでは財源がいくらあっても足りない」と悲鳴が上がっている。
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