
国税庁はこのほど、平成20事務年度における相続税の調査結果を発表した。
それによると、相続税調査の実施件数は1万4110件で前事務年度の1万3845件から微増、そのうち申告漏れなど非違のあったものが1万2008件、非違割合は85・8%だった。
相続税の申告漏れ課税価格は、全体で4095億円。
内訳は現金・預貯金などが1380億円、有価証券が776億円、土地が675億円、そのほかの相続財産(事業用動産生命保険、書画骨とうなど)が1200億円となっている。
また、海外資産関連事案1件当たりの申告漏れ課税価格は9362億円で、相続税調査全体の平均額3410万円の約2・7倍とかなり大きな金額となった。
海外資産については、被相続人が死亡時に国内に住所を有していなかったため、相続人が「申告義務がない」と思い込み無申告となっていたケースが多くみられる。
相続人が海外の相続財産の存在を認識していたにもかかわらず、「日本に財産を取り寄せない限り税務署にはばれない」として申告除外するケースもみられた。