政府は金融商品取引法を改正し、証券会社や保険会社に対し連結ベースの規制・監督を導入する。
証券会社の親会社も同庁の行政処分の対象に加え、証券子会社を悪用する株主を排除できる仕組みも盛り込んだ。
市場を通さず相対で取引するデリバティブ(金融派生商品)取引の決済を清算機関に集中させる。
2008年秋のリーマンショックに端を発する金融危機では、グループ企業の財務問題が本体に波及し、グループ全体の経営危機につながる事例があったことから、再発防止のため連結自己資本規制を導入する。
金融危機時などに証券会社や保険会社の健全性を維持できるよう、親会社が経営支援する責任を明確にする狙いがある。
証券会社は連結ベースの自己資本規制を導入する。
総資産の額が1兆円もしくは5千億円以上の証券会社が対象となる見通し。
証券子会社を持つメーカーや商社なども金融庁による行政処分の対象になる。
証券子会社の経営状況が悪化した際に適切に経営支援するよう求めたり、親会社の財務状況の悪化などで子会社の経営に悪影響が及びそうな場合に業務改善命令を発動できるようになる。
また、保険会社は財務健全性の指標となるソルベンシーマージン比率を連結ベースで算出することを義務付ける。
すべての保険会社が対象だ。
一方、デリバティブ取引の決済については、最も一般的なプレーン・バニラ型について清算を集中する。
将来的にはほかの取引に拡大する可能性もある。