菅直人首相のもとで策定された民主党の参院選マニフェストは、「早期に結論を得ることを目指して、消費税を含む税制の抜本改革に関する協議会を超党派で開始する」と明記した。
さらに菅首相はマニフェストを発表する記者会見で、「自民党が提案している10%をひとつの参考にさせていただく」と具体的な税率に触れ、与野党間で消費税が争点化された。
菅首相は自民党を議論に引き込むことで、消費税率の引き上げへの道を開こうともくろむ。
注目されるのは、増税の時期だ。
鳩山由紀夫前首相当時は「衆院議員の任期の4年間は消費税を上げない」としていたが、参院選マニフェストでは時期の縛りを取り払い、菅首相はさらに「2010年度内に改革案を取りまとめたい」と踏み込んだ。
菅首相が参院選を前に「政治家にとってタブー」とされてきた消費税増税に踏み込んだのは、財務相としてギリシャ危機に接し、財政問題に主導権を得ることが政治力につながると実感したためだ。
財務省幹部も「首相はかなりやる気になっている」と言う。
しかし、「10%」発言直後の世論調査では軒並み内閣支持率が低下しており、物事は簡単には行かないようだ。