9月10日、日本振興銀行(東京・千代田区)が経営破たんした。
これを受けて金融庁は史上初めてとなるペイオフの発動を決定。
預金保険制度により1千万円とその利息は保護されるが、それを超える金額はカットされる可能性が出てきた。
預金保険機構によると、1千万円超の預金者は3,423人、総額はおよそ110億円に上るとみられている。
今回の騒動を機に、高額預金者の間でペイオフ対策に注目が集まっている。
ペイオフが発動されると、預金保険制度により、1人1金融機関につき1千万円とその利息のみが保護される。
「1人1金融機関につき」とされていることから、1金融機関の中で複数の「商品」「口座」もしくは「支店」に預け分けている場合、いずれにおいても同一人の口座は1つにまとめられ、その上で1千万円とその利息しか保護されない。
ペイオフ対策では、預金の分散も有効な手段だが、ここで気を付けたいのが、その分散先。
たとえば、同一金融機関の中で、A社代表者〇△名義の預金と代表者個人◇△名義の預金とに分散した場合、いずれの預金もA社のものとしてひとくくりにされ、結局、1千万円とその利息しか保証されない結果となる。
また、会社の代表者ではなく、複数の役員個人名義の口座に預金を小分けにした場合も、実態が会社の預金と見なされてしまえば結果は同じだ。
したがって、預金の分散は複数の金融機関にまたがって行うほうがより確実である。
ところで、多くの金融機関はペイオフ解禁を機に、普通預金(有利息型)から、全額が保護対象となる決済用預金(無利息型)への切り替えを行っているが、この切り替えの際に預金者が提出する「無利息型預金切替申込書」は印紙税の課税対象になるので気を付けたい。
変更契約書として第14号文書(金銭の寄託に関する契約書)に該当し1通当たりの印紙税額は200円となる。