民主党が昨年12月に策定した税制抜本改革アクションプログラムに盛り込んだたばこ税と酒税の税率の抜本的な見直しが、今年度は見送られる方針となった。
民主党が主張する両税の改革方針は、これまでの財源確保策としての税の性格を改め、国民の健康増進を目的とする税に模様替えすること。
たばこ税は喫煙率を引き下げる価格政策の側面を強め、大幅に増税する一方、酒税はアルコール度数に応じた税率体系に改める。
アルコール1度当たりの税率が最も高いビールでワインの6倍、清酒の5・5倍に達する不均衡をならすとしている。
ただ酒税については古本伸一郎財務政務官が10月23日、「将来の間接税の全体の見直しのなかで議論するテーマ」と発言。
たばこ税についても峰崎直樹副財務相が同27日、「財源頼みのたばこ増税はしない。時間をかけて議論する」と述べ、来年度以降に議論を先送りする方針が示された。
こうした姿勢について財務省幹部は、
「今年末の税制改正での最大のテーマは、道路関係の暫定税率の廃止と、その代替で減税分の一部を穴埋めする環境税を導入できるかどうか。業界利害などが絡む酒税、たばこ税まで手を付ける余裕はない」
とこぼした。